CASA カサ

アメリカでの児童虐待や育児放棄への対応についての報告

CASAの役割

「はじめに」でも記述しましたが、CASAはアメリカ合衆国において「Court Appointed Special Advocates」の頭文字を取った呼び名で、裁判所により特別に任命を受けた調査員という意味を持ちます。

CASAの役割として最も大切なのは「子供にとって安全に生活できる場を永久的に確保する」ということです。

親元であっても、児童相談所を介した施設又は里親の保護下でもあっても、子供達が安全且つ精神的又物理的にも安定した生活が確保できているかどうか、彼らの目線から調査し裁判所に報告する任務を担います。

裁判が始まりCASAのオフィスに任命状が降りると、通常1名のCASAがそのケースに配属されます。その活動は法的に守られ、あらゆる情報を入手できる調査権が与えられます。警察や児童相談所からの告発状・逮捕状、事情聴取に関する書類、メディカルレコード(カルテ)等から状況を把握し、実際に被害者とされる子供、親、その他の家族や近隣者、児童相談所の担当者、ソーシャルワーカー、セラピスト、カウンセラー、学校や保育園の関係者などと面会し、判決に向けて子供にとって最も良い対応策を裁判所に推奨していきます。

裁判は半年から長くて2年間の期間を要します。審理、公判から指示された要求を保護者や児童相談所が満たしているか確認したり、子供と保護者の面会時間などもCASAが調整します。また何より子供達を定期的に訪問し、メンタル、学業、成長の過程を確認するのも重要な役割となります。このような活動により、CASAから裁判所へのレポートは判決へ向けて大きな影響力を持つ為、事実に基いた的確な判断が求められます。

重複してしまいますが、CASAのホームページに記載されているCASAの業務内容一覧は下記の通りです。

•  担当の子供達を定期的に訪問する。

•  子供に関する情報を出来る限り収集し、裁判所に子供にとって最適な提案を行う。

•  親権者、保護者、ケースワーカーに面会・面接する。

•  ソーシャルワーカーやその他のサービスプロバイダーに面会・面接する。

•  子供の家庭・家族関係を調べる。

•  ケースに関わる人々と協力的な関係を築く。

•  審議・公判用にレポートを作成する。

•  打ち合わせや裁判所の聞き取り、審議、公判に出席する。

•  必要に応じて子供の様子について証言する。

•  子供にとって必要且つ最適なコミニティーサービスを検索し情報を得る。

•  入手した全ての情報について機密を守る。

•  裁判所からの各取り決め(条件や規定)について管理する。

•  子供にCASAの役割を伝え裁判について話し合える(説明できる)関係性を作る。

•  各地域のCASAオフィスやプログラムの基準に従い指導の下で活動する。

•  地域の子供を守る。監視する。

•  最終的な判決が下るまで子供と寄り添う。

•  裁判所に子供の望むところを必ず伝える。