CASA カサ

アメリカでの児童虐待や育児放棄への対応についての報告

はじめに

CASAはCourt Appointed Special Advocates の頭文字をとってカサと読みます。

日本ではまだあまり知られていませんが、アメリカで虐待や育児放棄を受けている子供達について裁判所の特別な要請を受けて個別調査を行い、裁判官に対応を推奨する仲裁人の役割を果たします。児童相談所とは別の組織であくまで子供達にとって一番良い方法を見出す為の独立した権限を持ち全米各地に設けられている組織です。

こちらでは虐待や育児放棄が発覚すると子供は即保護され、児童相談所が「原告」親や保護者が「被告」となり裁判で返還の条件や親権が争われます。CASAは中立の立場を取ることを徹底し何よりも被害者である子供達と多くの時間を過ごし彼らの小さな声の代理人となります。裁判官は裁判の中の多くの場面でCASAからのレポートに基づいて判決を取り決めます。

CASAは非営利団体で調査員のほとんどがボランティア会員です。ボランティアといっても簡単になれるわけではなく、面接、トレーニング、ケーススタディインターン、採用試験などを受け子供を守るという断固たる礎の上に成り立つ活動です。

様々な試練を得て命の大切さを学びました。生きるという事は簡単ではありません。人生の土台は家庭です。家庭は人間が育つ場所なのです。家庭の歪みが社会や国の歪みと言っても過言ではありません。アメリカの現在は日本の10年後だと言われます。近年は日本でも虐待や育児放棄の報道が増えており、それらは恐らく氷山の一角でしょう。しかし日本はその受け皿が弱い。警察権を持つ児童相談所、カウンセリングやファミリーサポートを行う施設や教会、里親、病院、学校、役所、裁判所の連携が必要です。一見「行き過ぎ」かとも感じるアメリカのシステムは「見過ごし」て大事な命が失われる事を防ぐ為には幾らか効果的ではないでしょうか?

このシステム側の組織体制に飛び込みその形と流れを学び、何かしらのヒントを祖国日本に届けられる日が来る事を願いこのブログを開設しました。CASAの役割を通して様々な家庭環境または人間関係に寄り添いながら進めます。またアメリカの児童虐待育児放棄への対応の流れ、また児童相談所の働きについても詳しくお伝えできればと思います。拙い文章ですが、訓練から実践まで事細かに記して参ります。よろしくお願い致します。