CASA カサ

アメリカでの児童虐待や育児放棄への対応についての報告

トレーニング1.10 虐待・育児放棄を理解する

虐待や育児放棄に気づくためには子供の生活に関わるあらゆる側面に目を向け、子供の感情が何に反応するかを見極める視点を持つことが重要です。 外見チェック 顔つき、表情、口元の動き、目の動き、腕や指先の動き、容姿、姿勢、態度、物腰など全体の様子を…

トレーニング1.9続  CASAの活動におけるジレンマ

ジレンマの定義:ある問題に対して2つまたそれ以上の選択肢が存在し、どのどちらかを選んでも何らかの不利益があり、態度を決めかねる状態。 CASAの活動を遂行するにあたり、子供に対しての最善の策を考えるが故に、様々なジレンマを経験します。どのような…

トレーニング1.9  Mentoring (メンタリング)と Advocacy (アドボカシー)

アメリカではMentoring (メンタリング)という言葉があり指導や助言を行う役割がこれに当てはまり、虐待や育児放棄の現場以外でも一般的に学校や地域において広く使われています。そのようなメンタリングの指導者はメンターとかアドバイザーと呼ばれ学校の…

トレーニング1.8  (クラス) 子供との関係作り

CASAの活動を実施するにあたり一番必要なことは担当の子供たちとの関係や絆作りです。この関係性こそがCASAの役割を最大限に引き出す最重要素になってきます。 CASAは虐待や育児放棄を受けたすなわち被害者である子供たちにとって、誰よりも一番直接的でまた…

トレーニング1.7  クラススタート

トレーニング1.6まではオンラインコースを利用した自主学習です ここからは1章のまとめとしてクラスで授業を受ける形になります まず自分の順番に自己紹介、クラスメートの過去と名前を覚えましょう 将来のCASAチームメートです 学んだことも含めいろい…

トレーニング1.6 アメリカの児童福祉法での保護の流れ

トレーニング1.5続 最適な環境

アメリカのCASAで一番重要なのは「子供にとってのBest Interest」という理念です。 Bestを辞書で検索すると最善、最高、最上という言葉がでてきます。またInterestは興味や関心、利害と訳されます。CASAで使われる「Best Interest」のニュアンスはこれらの日…

トレーニング1.5続 虐待と育児放棄の定義と区分

児童虐待と育児放棄の定義と区分について ・身体的虐待 定義:意識的に子供を傷つける、過度な力をかける、見境の無く無謀に生死に関わる危険な状態にさらすこと 指針:説明のつかない青あざ、みみず腫れや傷、完治するまでに段階を得て時間を要する程度の怪…

トレーニング1.5 アメリカの現状

americanspcc.org 2015年から2016年においてのアメリカの児童虐待・育児放棄の現状について 年間で720万件の報告件数のうち 340万人の子供達が何かしらの福祉サービスを受けています その内75.3%が育児放棄 17.2%が身体的虐待 8.4%が性的虐待 6.9%が精神的…

トレーニング1.4 アメリカの児童福祉法

CASAの授業の中で習ったのは、アメリカでは動物保護法が先に確立され、動物の虐待や飼育放棄を取り締まっていた団体が人間の子供が虐待・育児放棄されているのを発見し保護したことで児童福祉法設立への道が開かれたという歴史があるということです。驚きで…

トレーニング1.3続 CASAの規定事項

CASAは下記の事項に同意し遵守することを宣誓します。 ・裁判所及び法律を守る ・職権乱用や命令違反を犯さない ・活動中にアルコールの影響を受けていてはならない ・オフィスまたはクライアントの敷地内で盗難または誤用を犯してはならない ・クライアント…

トレーニング1.3 動画 ジョンのストーリー

John's Story CASA 動画概要 11歳の時に叔母から顎をぶたれて骨折した セラピストには怖くてその事は言えなかった 暫くして妹達と里子にだされた 初めて安心したんだ でも母親のことがいつも心配だった ヘロイン中毒で注射器の使い回しからHIVに感染していた…

トレーニング1.2 ケーススタディ ブルックスファミリー

1.2 ケーススタディ ブルックスファミリーのケース ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓ *********************************************************************************************** ケースナンバー 12-097542-4 児童の氏名:デシャワン・ブルックス 誕生日:3月12日 人…

トレーニング1.1 自己分析

トレーニング1を開始します。 このセッションでは下記のような事項を学びます。 ★トレーニングを通して何を学びたいか明確する ★CASAの役割とボランティアとしての子供への関わり方の制限を確認する ★米国の児童福祉の歴史を学ぶ ★CASAとして子供の弁護にあ…

オリエンテーション

面接後ボランティア候補生として選ばれると電子メールにて採用の決定とオリエンテーションの通知が来ます。オリエンテーションの内容と説明は箇条書きですが下記の通り。 ①自己紹介 人数分の小さな紙が配られました。異なる自己紹介の方法が書いてあります …

採用面接

採用面接試験についてです。 採用といってもトレーニングを受ける資格があるかどうかという段階で 正式にはトレーニング、試験、インターン等と終了しなければCASAにはなれません。 面接時間は30分。 自己紹介 経歴紹介 なぜCASAになりたいか? 過去のボラン…

推薦状について

CASAのボランティアに申し込みをする際には、家族以外で21歳以上の成人4人からの推薦状が必要となります。推薦人が下記の用紙に記入し直接CASAオフィスに送付しなければなりません。申込者は内容を確認することはできません。 <推薦状書類の内容> 推薦人の…

申し込み用紙

CASAへの申し込み用紙 <個人情報> 日付、名前、住所、電話番号、メールアドレス、緊急連絡先 <雇用状況> 雇用主、雇用形態、勤務年数、勤務先住所、勤務先に連絡可能か否か、仕事内容の説明 質問:里親の経験がありますか?児童相談所に勤務したことがあ…

CASAになるためには

CASAになる為の資格: 一番大切なのは子供ののこと真剣深刻に考えることができるかどうかです。ボランティアは21歳以上の大人に限り、文章的能力と社会的言語能力を持ちコミニケーションに長けているもの。学歴は特に問いませんが、裁判所とのやり取り・文書…

CASAの役割

「はじめに」でも記述しましたが、CASAはアメリカ合衆国において「Court Appointed Special Advocates」の頭文字を取った呼び名で、裁判所により特別に任命を受けた調査員という意味を持ちます。 CASAの役割として最も大切なのは「子供にとって安全に生活で…

CASAの歴史

CASAが初めて設立されたのは1977年、場所は西海岸北部のシアトル州の小さな地方裁判所からでした。 虐待や育児放棄に即座に対応する児童相談所の権限が強まり同時に里親制度も構築されていく中、役所側と親権者の言い分のみでは食い違いが多く裁判で判断が困…

はじめに

CASAはCourt Appointed Special Advocates の頭文字をとってカサと読みます。 日本ではまだあまり知られていませんが、アメリカで虐待や育児放棄を受けている子供達について裁判所の特別な要請を受けて個別調査を行い、裁判官に対応を推奨する仲裁人の役割を…